温度差 temperature difference 2004 9 15
アメリカ政府もアメリカ国民も、
対テロ戦争に夢中になっているが、
本当に夢中になるべき分野は、他にある。
それは、アメリカの破綻を防ぎつつ、
今の水準を維持することである。
現在のアメリカ経済は、分水嶺にあります。
いや、綱渡りをしているようにも見えます。
しかし、アメリカ政府もアメリカ国民も危機感がありません。
それは、両者とも、政治のことはわかっても、
経済のことは、よくわからないからです。
アメリカが取り組むべき問題は、
対テロ戦争ではありません。
そういう問題は、CIAやFBIが取り組むべき問題であって、
アメリカ政府やアメリカ国民にとって、もっと重要な問題があります。
それは、アメリカの再建です。
「書評 book review 2004 9 12」
書名 ドル暴落から、世界不況が始まる
著者 リチャード・ダンカン
出版社 日本経済新聞社
THE DOLLAR CRISIS by Richard Duncan
「帳尻が合わない」
そのとおり。
しかし、女性が、お化粧をするように、
経済も、お化粧する必要がある。
問題は、年を取ると、お化粧の乗りが悪くなることである。
そして、主役は、若い娘に代わる。
いつか世界経済もそうなる時が来るでしょう。
「アメリカ病 American disease 2004 7 26」
アメリカが、「テロとの戦い」を続けている限り、
アメリカの衰退は、止まらないでしょう。
それは、こういうことです。
「テロとの戦い」は、経済改革よりも優先するでしょうし、
経済改革を推進すると、「テロとの戦い」はできなくなるでしょう。
つまり、「テロとの戦い」は、経済的な採算性を度外視しないと、できないということです。
しかし、地球上から、すべてのテロリストをなくすには、永遠の時間がかかるでしょう。
つまり、テロとの戦いは、永遠に終わらないでしょう。
そして、アメリカの衰退は、永遠に止まらないでしょう。
要するに、アメリカは、「終わりなき戦い」を始めてしまったのです。
しかし、現状では、「テロとの戦い」という看板を掲げないと、
アメリカを、ひとつの国として、まとめることはできないでしょう。
今のアメリカは、共和党支持者と民主党支持者の間の溝は、限りなく深くなってしまったのです。
ああ、自由の国、アメリカよ。
そして、寛容の国、アメリカよ。
アメリカが消えていく。
「内需主導 domestic demand-led 2004 7 11」
世界各国は、「内需主導による経済成長」に切り替えるべきです。
アメリカ経済は、相当、無理をしているところがあります。
アメリカ経済は、「世界経済のけん引役」と言えば、
聞こえが良いですが、現実は、どうなのか。
悪く言えば、アメリカ経済は、世界各国にとって、経済的な植民地となってしまった。
世界各国が、アメリカの消費者に、商品を売り、
アメリカの消費者が、それを、一生懸命、買っているという状況でしょうか。